幼児期・学童期の子どもたちを対象としたお仕事道具です。子どもたちは手を使うことで多くのこと学びます。

その中でも我が家やつばめの家の教室で人気の道具をご紹介します。

 

【1】カモシカ道具店の溝のないすり鉢

・どんな時に使う?

我が家では毎朝、自家製ヨーグルトにアーモンドやクルミやきな粉を入れて食べます。
小学生の娘もアーモンドをつぶして楽しんでいます。
クルミなどは柔らかいので初めてのお子さんにおすすめです。

溝がないすり鉢なので、押しつぶすようにつぶしますが、さくっさくっとつぶれる感覚がとても楽しいようです。
手首もしっかり使うので、手首の運動にも最適です。

・溝のないすり鉢の魅力

このカモシカ道具店さんのすり鉢は、何よりも見た目がスマートで美しい。キッチンに出しっぱなしにしていても目で楽しむことができます。
また小さいサイズは子どもの手に収まりやすく使いやすいようです。
溝がないので洗いやすく、子どもはこのざらっとした部分を触って不思議そうに見ています。

どちらの機能も兼ね備えたこのすり鉢が家族でお気に入りです。

 

カモシカ道具店の溝のないすり鉢

【2】以前販売していたゴマすり鉢

・子どもたちが列を作って順番を待つほど大好きなお仕事

こちらのすり鉢は以前つばめの家でも販売していましたすり鉢です。
つばめの家の教室で使っているのですが、順番待ちをする人気のすり鉢です。
ゴマの香りが香ばしく、子どもたちもこの香りを嗅ぐのが好きだそうです。
ほうれん草の胡麻和えをしたり、キュウリの酢の物をしたり、みそ汁に入れたり。お料理には欠かせないすりごまですが、ゴリゴリと擦る感覚と固形の胡麻がサラサラになるところが面白いようです。

キッチンの近くに必ずセットし、いつでも使えるようにしておくと、子どもの好奇心を満たしてあげることができます。

・道具選びのポイント

すり鉢は大きすぎず、小さすぎないのがポイントです。小さすぎると擦っている途中に外に飛び出してしまいます。
大きすぎてもいいのですが、持ち運びが重すぎます。お子様が両手で持った時に軽く持ち上げられる程度のものを選ぶと良いかと思います。
100均でも売っていますが、できるだけ子どもが扱いやすいものを選んでください。
道具選びは「安い」ではなく「子どもにとって魅力的で扱いやすいもの」がポイントです。

【3】手の力を目いっぱい使うカモシカ道具店のレモン絞り

・購入に至るまで

こちらもカモシカ道具店さんのレモン絞り。
レモン絞りはいろいろと探しました。形や色にも娘と一緒に選びました。
我が家にレモンの木を植えて数年。今年ようやく実をつけてくれました。
葉が大きく広がり始め、花が咲き、小さな実がなり今ではグリーンの大きな玉になりました。
レモンが黄色く熟れるのを待ちわびながら今年新調したレモン絞りですが、待ちきれずに果物屋さんでレモンやグレープフルーツを買って、我が家の朝のドリンクにしています。
手の力が必要ですが絞った時に下にぽたぽたと滴り落ちるところが楽しいようです。

・手首の運動

こちらも手首をひねる運動が可能です。
幼児期には「瓶の蓋を回す」お仕事を準備するのですが、こちらのレモン絞りは瓶の蓋よりもしっかりと手首を動かす上に、左手でしっかり支えることも必要です。かなり力がいる上にうまく全体を絞り器に当てないと果物が絞れません。
瓶の蓋が容易に開けられるようになってから準備をするといいと思います。

カモシカ道具店のレモン絞り

【4】ポーレックスのコーヒーミル

 

・子どもに人気のコーヒー挽きのお仕事

つばめの家の教室でも大人気のコーヒー豆挽き。なぜかみんな遠慮がちに「コーヒーのお仕事をしてもいいですか」と私に尋ねてきます。「先生に聞かなくても、したいときにしたらいいんだよ」と言っても遠慮する。それほど、子どもたちにとって「大人のお仕事」という認識が強いのでしょうね。
教室では置くタイプのコーヒーミルを使いますが、小学生と中学生のいる我が家ではポーレックスの簡易なミルを使っています。
年少さんにはまだ固く、支えるのが難しいのですが年中、年長となるとお手のもの。きれいに挽かれた豆を丁寧に袋に入れて持って帰ります。

 

・道具の魅力

ポーレックスの手動ミルはとても柔らかく、挽き心地がなめらかです。小学生はもちろんのこと、幼児期のお子様にも使えますよ。
こちらは間もなく販売予定です。

【5】北山正積商店 職人さん手作りのキッチンブラシ

・2歳から楽しめるブラシです

つばめの家で販売しているキッチンブラシ。野菜を洗うことができます。2歳ほどのお子様でもきっとキッチンに立ちたいという願いは強いもの。
でも何をさせてあげればよいのかと考えますよね。そんな時、大きめのボールを用意し、その中に水を張って野菜を入れてこのキッチンブラシでごしごしと洗う。夏は特に水を使うことが大好きですし、何より手を動かすことが楽しい!ジャガイモやゴボウなど、ごしごしと洗うことで土が取れて色が変わる様子を見ることに興味津々です。

・大人も重宝するブラシ

このブラシは、土鍋や鉄のフライパン、そしてガラスもきれいに洗えるのです。たわしでガラスなんて!と思ったのですが、これが思っているより柔らかく程よくきれいに汚れが取れるのです。我が家では子どもも大人も使い、とことんダメになるまで使うので、もう3本目です。ぜひ一度お試しください。今なら自然に優しい洗剤のお試しが付きます。

 

北山正積商店キッチンブラシ

 

 

【6】まとめ

子どもたちは、手を動かすことで身体的に手の筋肉を育てます。
「手先が器用になってほしいな」と願う親御さんも多いかと思います。
しかし手先を育てる前にまずは体や腕の筋肉を使うことをたくさんさせてあげてほしいのです。子どもたちはまず全身を育ててからそれが次第に細かな指先の運動につながっていきます。
そして、指先の運動は脳ともつながっているので、子どもたちは手を動かすことで結果的に脳を鍛えることにもなります。
でも何よりモンテッソーリ教育で一番大切なことは、「手を動かしたい」と思う子どもの意欲を活動に結び付けてあげられること。
そして無心に繰り返す活動によって子どもは心から満足し、心と体の成長につながることです。
幼児期に、だれにも邪魔をされずに一生懸命取り組む経験をたくさんできた子どもは、その後大きくなっていく中で、ここぞという場面で集中し自分の意志で物事を達成したり一生懸命取り組むことができるようになると言われています。
つばめの家の小学生のお子さんたちも、ワイワイとお話をしていたかと思うと、急に集中モードに入り一気に作品を仕上げる場面を何度も目にします。

家庭の中でお仕事に取り組むことは難しいこともあるかもしれませんが、台所道具はどのお子さんも大好きです。
大好きな時にしっかり準備をして、時には一緒にお仕事に取り組んでみてください。

できたら、お子さんが使う時だけでも周りをきれいに使いやすくしておくといいかもしれませんね。

今回は5点ご紹介させていただきました。またいつかパート2も記載したいと考えております。お楽しみに。

プロフィール

藤原愉美/YUMI FUJIWARA

大学の時に初めてモンテッソーリ教育に出会い、子どもは人格者であり一人の人として育てる事の大切さを学び感銘を受けました。その後、モンテッソーリ幼稚園幼稚園・市立幼稚園小学校での勤務の後、モンテッソーリ教室「つばめの家」を開講し、約24年もの間モンテッソーリ教育に携わり、勉強と研究を重ねてきました。今後も家庭でできるモンテッソーリ子育てやおすすめなど発信していきたいと思います。

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